「安田顕という男」— 北海道が生んだ“怪優”の素顔と、演劇との偶然すぎる出会い

安田顕day1 芸能

はじめに|全10回で“安田顕”の歩みを解剖する

今回からシリーズで野田書店が大好きなチームナックスメンバーのヤスケンを深堀していきます。

北海道発の演劇ユニット「TEAM NACS(チームナックス)」の一員として、
そしてテレビドラマ・映画・舞台で存在感を放つ俳優・安田顕

彼の演技には、常に「何か仕掛けてくるぞ」という予感がある。
時に狂気、時に哀愁、時に異様な色気まで——“怪優”と称されるゆえんは、振り幅の広さだけではない

このシリーズでは、安田顕という人物を軸に、
彼が所属するTEAM NACSやクリエイティブオフィスキュー(オフィスCUE)、
さらには北海道発エンタメの土壌にまで踏み込みながら、全10回にわたって深掘りしていきます。


安田顕、室蘭から“役者”への遠い道のり

1973年、北海道室蘭市本町に生まれた安田顕。
父は公務員、兄は医師という堅実な家庭に育ち、本人も一度は会社員を目指す人生を歩んでいた。

“俳優を目指していた少年時代”ではなかった。

進学した北海学園大学で演劇研究会に加入したのも、「友達についていったから」
当初は演劇にそれほど関心があったわけではないという。

「気づいたら舞台に立っていた」

この偶然のきっかけが、のちのTEAM NACS結成へとつながっていく。


TEAM NACSとの出会いと原点

大学演劇研究会にいた当時の仲間が、
大泉洋、森崎博之、戸次重幸、音尾琢真——そして安田顕。

彼らは卒業後それぞれ就職したが、森崎の呼びかけで1996年に「TEAM NACS」を再結成。
そのまま活動を本格化させることになる。

初期の舞台は手作り感満載のチケット販売、観客20人ほどの規模だった。
だが、笑いとドラマが融合した独自の作風は徐々に話題に。
そして、テレビ番組『水曜どうでしょう』(大泉洋出演)の人気も後押しし、
彼らの名は北海道中に知られることとなった。

安田顕はこの時期、「牛乳を吐く芸」など体を張ったギャグ担当として独特の立ち位置を築く。
一見ふざけているようで、根底には役者としての緻密さと冷静な自己分析があった


「怪優」と呼ばれる理由

「変な人を演じさせたら日本一」——
そんな風に表現されることもある安田顕だが、実は心に触れる静かな役こそ真骨頂

  • ドラマ『ハケンの品格』では、鼻につくが憎めない中間管理職
  • 『下町ロケット』では敵対的だがどこか人間臭い研究者
  • 映画『愛しのアイリーン』では、愛に飢えた男の純情と狂気を体現
  • 舞台では1人10役をこなすなど、カメレオン以上の変幻自在ぶり

彼の演技は「重さ」と「軽さ」、「痛み」と「笑い」を同時に帯びている。
だからこそ、視聴者はどこか自分を重ねてしまう


安田顕が語る“自分自身”とは

過去のインタビューで安田顕はこう語っている。

「俳優をやっていなかったら、今でも室蘭で普通に暮らしていたと思う」

それほどまでに、“選ばれた道”ではなかった。
にもかかわらず、彼は今や北海道を代表する役者として、
東京でも存在感を放ち、舞台・映像・エッセイと多彩な活躍を続けている。


まとめ|「偶然」が生んだ、唯一無二の俳優

安田顕の俳優人生は、誰よりも“必然のような偶然”に満ちている。

  • 大学の友人と出会わなければ演劇をしていなかった
  • TEAM NACSが再結成されなければ俳優になっていなかった
  • 北海道にこだわらなければ“今の安田顕”ではなかった

そして何より、“安田顕”という人物に惹かれる人が、確実に増え続けている。


次回予告|第2回「TEAM NACSの結成と、その熱すぎる絆」

次回は、安田顕の原点ともいえる「TEAM NACS」そのものに迫ります。
5人の出会い、解散と再結成、地方発信で全国区になった軌跡——
“奇跡のチーム”が歩んだ道を、ひとつずつ振り返ります。

次もお楽しみにー それでは~バイビー👋

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