夜の高速道路。
ハンドルに触れていないのに、車は静かに走っている。
ライトが流れ、メーターが淡く光る。
便利だな、と一瞬思う。
でも、ふとよぎる。
もし、このまま事故が起きたら――誰の責任なんだろう。
AIが事故を起こしたら、誰が責任を負うのか
想像してみてください。
- 車は自動運転モード
- 運転者はハンドルに触れていない
- センサーも作動している
- ソフトも最新版
それでも事故が起きた。
責任は――
- 運転者?
- メーカー?
- ソフト開発会社?
- それともAI?
これはSFの話ではありません。
もう世界で起きている現実の問いです。
日本の立場:責任はまだ「人間」にある
現時点の日本では、基本的な考え方はこうです。
AIが運転していても、最終責任は運転者。
どれだけ自動化が進んでも、
「責任」まではAIに渡していない。
便利さは受け取る。
でも責任は残る。
ここに、今の制度のバランスがあります。
海外では変わり始めている
完全無人走行が始まっている地域では、議論の軸が少し違います。
- 人の過失
- ↓
- システムの設計責任
- 運営企業の管理責任
人が運転していないなら、責任はどこへ向かうのか。
「人の問題」から「構造の問題」へ。
責任の所在が、ゆっくり移動し始めています。
AIは「罪」を持てるのか
AIは判断します。
でも、後悔しません。
AIは計算します。
でも、責任を感じません。
私たちの社会は、
- 判断する
- 責任を負う
- 罰を受ける
- 後悔する
この感情の循環で成り立っています。
では――
判断する存在に、責任を与えられるのでしょうか。
トロッコ問題という思考実験
有名な問いがあります。
- 5人を助けるために、1人を犠牲にするか
- 何もしなければ5人が犠牲になる
自動運転も、似た状況に直面します。
- 歩行者を避ければ壁に衝突する
- 乗員を守るか、歩行者を守るか
ここで重要なのは、AIの性能ではありません。
その判断基準を、誰が決めるのか。
- メーカー?
- 法律?
- 社会の多数決?
- それとも、あなた?
保険はどう変わるのか
現在の自動車保険は「人の責任」を前提にしています。
- 過失割合
- 等級制度
- ドライバーの過失
しかし完全自動運転が進めば、
- 製造物責任型の補償
- ソフトウェア保証型の補償
- システム込みのサブスク型管理
へと変わる可能性があります。
人を守る保険から、構造を保証する保険へ。
制度が変われば、保険も変わる。
思想と収益は、実は同じ地面に立っています。
AI×LIFEの問い
あなたならどう考えますか。
AIが運転して事故が起きたとき、誰に責任を求めますか?
AI×LIFEは、便利さを追いかけるシリーズではありません。
「どう生きるか」を考えるシリーズです。
▶ 第7話予告
AIは「守る」のか、「選ぶ」のか
――自動運転倫理の核心へ。



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